- ①会社名、②事業の目的、③本店所在地、④資本金、⑤発起人、⑥役員、⑦営業年度、⑧取扱銀行、⑨設立時期などを決めます。
- 発起設立と募集設立があります。
- 許認可が必要な業種に該当する場合は早めに準備します。
創業手続きを相談したい
会社の形態として
どのようなものがありますか?
会社法では、「株式会社」と「持分会社」の2つの会社について定めています。持分会社には、「合名会社」、「合資会社」、「合同会社」の3つのタイプがあります。すなわち、会社の種類は大きく2つ、詳細には4つに分類されていると捉えることができます。
「合同会社」は今回の会社法によって創設された会社の種類です。合同会社のことを「LLC(Limited Liability Company)」と呼ぶこともあります。LLP(Limited Liability
Partnership:有限責任事業組合)と混同しないようにしてください。LLCは法人格がありますが、LLPには法人格がありません。したがって、LLCには法人税が課税されますが、LLPには法人税が課税されることはありません。
また、LLPは会社ではなく、組合です。組合契約書を作成して、出資金を払い込み、登記の申請を行わなければなりません。LLCと相違して、定款を作成する必要がなく、認証手数料もかかりません。
従来の「合名会社」、「合資会社」についても変更点があります。従来、無限責任社員となることができる者は、個人(自然人)でしたが、法人も無限責任社員となることができるようになりました。この場合、その法人は業務執行を行う個人を決定することになります。
また、合資会社は、従来、最低、無限責任社員1名と有限責任社員1名が必要であり、どちらかが欠けた場合は解散事由となりました。しかし、今回の会社法では、持分会社の社員は1人でよいことになっています。合資会社で、無限責任社員1名となった場合は、合名会社と同様となり、合名会社に変更したものとみなされます。同様に、有限責任社員1名となった場合は、合同会社と同様となり、合同会社に変更したものとみなされます。
合同会社は、出資者全員が有限責任であり、原則として、出資者(社員と呼びます。)全員の一致で定款、その他会社のあり方を決定することに特徴があります。出資者の全員が業務の執行を行うことが前提となっています。
開業する場合、
個人と法人ではどう違いますか?
新規に事業を起こす場合、個人事業としてやるか、会社組織にするか、なかなか迷うものです。
小資本で済む場合や事業規模の大小により、個別に検討することとなりますが、主な違いは以下の通りです。
税負担
個人事業の場合、課税所得に対して超過累進税率が適用される為、課税所得が多くなるほど段階的に税率もアップします。法人の場合は、800万以下15%・800万超25.5%と2段階であり(平24.4.1から平27.3.31までの間に開始する事業年度)、所得額による比較が必要です。
責任の範囲
個人事業は、合名会社の社員と同じで、債権者に対し無限責任となります。合資会社は、無限責任と有限責任。株式・有限会社の場合は、有限責任となります。法人の代表者等が、法人に対して個人保証をした場合は、個人の財産も債権者に対して責任を負います。
信用問題
個人事業だって立派に経営しているところは沢山ありますが、世間の見る目は、どうしても、法人と一線を隔します。一部株式会社しか取引をしないと言う企業もあります。社会的信用としては、会社組織の方が高いと言わざるをえません。
資金調達
事業資金の調達において、会社組織の場合出資者になってもらうことで、大きな資金を集めやすくなります。
決算期を自由に選択
個人事業の場合、決算期が毎年1月1日から12月31日と決められていますが、会社組織の場合、その事業に見合った時期を決算期として自由に選ぶことができます。
会社設立にあたって決めなければならない事項、
作成するもの、タイムスケジュールについて教えて下さい
株式会社の設立手続きには、発起設立と募集設立の2種類があります。
発起設立 | 発起人が会社の設立に際して発行する株式の総数の全部を引き受ける方法 |
---|---|
募集設立 | 発起人が会社の設立に際して発行する株式の一部だけを引き受け、その残余の株式を発起人以外の者に引き受けてもらう方法 |
ここでは、一般的な発起設立の流れを紹介します。
1
会社の基本事項の決定
2
類似商号の調査
- 登記所へ出向き、同一市町村内で同一の事業を行っている他人が使っている商号と同一、または類似の商号がないかをチェックします。
類似商号の調査→登記所(本店所在地を管轄する法務局)で検索
(注)「新会社法」の施行により平成18年5月1日より上記規制以外の類似商号規制はなくなっています。
3
会社の印鑑を作る
- 設立時に届け出る代表者印を作る。同時に、銀行印、角印、ゴム印なども発注しておきます。
4
発起人会の開催
- 発起人会を開いて、これまできめてきたことを確認し、発起人会議事録を作成します。
発起人が1人の場合は、発起人議事録ではなく、発起人決定書を作成します。
5
個人の印鑑証明書の取得
- ①発起人全員各1通、②発起人総代1通、③代表取締役1通
6
定款を作成する
- 定款は会社の根本規則をさだめた「憲法」です。
- 株式の引受け、取締役・監査役の選任も定款に記載しておく。
7
定款の認証を受ける
- 定款を公証人役場に提出し、認証を受ける。
3通提出、1通は公証役場に保存、1通は会社保存用、そしてもう一通は登記申請用。 - 発起人全員の印鑑証明書が必要。
8
出資金を金融機関に払い込む
- 発起人の代表者の個人口座に出資金を払い込みます。
「払込証明書」を作成し、これに預金通帳のコピーをホッチキスでとめる。 - 募集設立の場合は「株式払込保管証明書」を発行してもらいます。
9
取締役・監査役を決定する
- 設立時取締役・設立時監査役を決定し、それぞれ「就任承諾書」を作る。
10
取締役・監査役の調査
- 「調査書報告書」の作成
- 株式の払込みなどが正しくおこなわれたかを調査する。
11
登記申請書類を作成する
- 申請書は一定のルールに従って作成します。※必要書類
12
設立登記の申請
- 出資払込完了日(保管証明に記載の日)から2週間以内に行います。
- 会社設立登記の申請と同時に代表者印の届出も行う。
13
審査結果の掲示2(補正)
- 登記官の審査により不備があれば補正に訂正します。
14
会社の誕生
- 会社の誕生の日は、登記が完了した日ではなく、申請した日です。
- 登記簿謄本・印鑑証明書の交付を申請します(様々な届出で必要です)
- 会社が誕生すれば銀行に法人口座を開設します。
15
諸官庁への届出
- 会社の登記が無事に終了すると、税務署や労働基準監督署、社会保険事務所などへの届出が必要になります。
※必要書類
書類 | 通数 | 備考 |
---|---|---|
登記申請書 | 1通 | 自分で作成する |
登録免許税納付用台紙 | 1通 | 自分で作成する |
登記用紙と同一の用紙(OCR用紙) | 1通 | 登記所所定の用紙。登記事項を記録した磁気テープを提出することもできます。 |
定款 | 1通 | 謄本を添付 |
発起人の同意書 | 1通 | 設立に際して、発起人の引受株式数、払込金額等が定款に記載している場合は援用可 |
払込証明書 | 1通 | 出資金を払い込んだ預金通帳コピーを添付 |
設立時取締役、設立時監査役の選任及び 本店所在地決議書(又は発起人会議事録) |
1通 | 定款で選任していない場合に必要 |
設立時代表取締役を選定したことを証する書面 | 1通 | - |
設立時取締役、設立時代表取締役及び 設立時監査役の就任承諾書 |
人数分 | - |
資本金の額の計上に関する証明書 | 1通 | 設立時代表取締役が作成した証明書 |
就任承諾書 | 人数分 | 発起人以外が役員となる場合に必要 |
調査報告書 | 1通 | 現物出資に関する定めが定款に定められている場合に限り必要 |
代表取締役の印鑑証明書 | 人数分 | 個人の印鑑証明書 |
印鑑届書 | 1通 | 貼付する印鑑紙は登記所所定の用紙 |
印鑑カード交付申請書 | 1通 | - |
委任状 | 1通 | 司法書士などに登記申請を委任する場合に必要 |
諸官庁への届出や
申請書類について教えて下さい
諸官庁に法人設立届の提出が必要です。
提出先は以下の通りですが、提出期限が定められており、期限後提出にはデメリットがあります。
詳しくは、該当先にお問い合わせ下さい。
会社は、設立の登記をすることによって成立するとされていますが、登記手続きの流れはどのようなものでしょうか?
機関設計によって違いはありますが、株式会社の登記のおおまかな流れです。
1.会社の基本的事項を決める商号・目的・所在地から発起人、機関設計と役員、決算月等々定款に記載する内容を決めます。
あわせて会社の各種印鑑、発起人・役員の印鑑証明書を用意します。
印鑑証明書は、次の時に必要です。
- 定款認証時、発起人について各自1通
- 設立登記申請時、代表取締役について1通
- 設立登記申請時、発起人でない取締役について1通
2.定款作成・認証
(1)ルールに従い定款を作成します。
- 絶対的記載事項や相対的記載事項等法律上・会社経営上必要な事項を必ず記載する。
- 発起人全員の記名、押印
- 3通作成(1通公証人役場に保存。1通は登記申請時に提出し、残り1通は会社保存用(これが原始定款となります)
(2)公証人役場で認証を受ける。
その際、定款に貼る収入印紙4万円、認証手数料5万円(現金)、謄本手数料1冊250円×枚数(約5枚)(現金)が必要になります。
※本店所在地を管轄する法務局所属の公証人役場です。例えば、東京に本店をおく場合、東京法務局管内の公証人役場となります。
3.出資金の払込と取締役及び監査役の調査
4.設立登記
様式の取得、添付書類等の説明などは法務局のHPでダウンロードできます。
http://houmukyoku.moj.go.jp/tokyo/frame.html
登録免許税は資本金の1,000分の7の額です。15万円に満たない場合は15万円になります。(100円未満切捨て)
5.官公庁へ届出
関係諸官庁への届出が必要になります。
- 税務署
- 都道府県税事務所、市町村
- 社会保険事務所
- その他、労働者がいれば労働基準監督署やハローワークへの届出も必要
登記申請は完了するまで、10日から1ヶ月程度かかります。